ある日の本箱

海外の児童書を中心に読んだ本の感想などを公開しています。

『魔女だったかもしれないわたし』 :魔女の慰霊碑

物語の中で、主人公アディは村の議会に対し、魔女の慰霊碑の建立を働きかけます。

実際にスコットランドでは、魔女の慰霊碑の建立や、迫害を受けた魔女たちへの謝罪が行われているようです。

 

魔女の慰霊碑(Witches Memorial)

https://forwomen.scot/06/03/2022/witches-memorials-in-scotland/

(「For Women Scotland」HP)

 

2020年には、スコットランドスタージョン首相が、かつて「魔女」とされた人たちに対して謝罪しました。

https://www.afpbb.com/articles/-/3395023

(AFP通信ニュースより)

 

魔女狩り」については、女性蔑視や女性差別の視点から語られることも多いですが、著者のマクニコルさんの場合、「魔女狩り」を、広く「ちがい」に対する差別や偏見の視点から取り上げています。

 

さまざまな生き物であふれる海のすばらしさを引き合いに、多様性の尊さを訴えている部分は、とても印象的で心に残ります。

感性豊かなマクニコルさんならではの視点といえるかもしれません。